大学院生活ももう1か月経過。
月、火、水 の多忙な学校生活が終わって一息ついたら、また月曜…
今週水曜日のRefugees, Migration and Traffickingの授業で考えさせられたことを、今回は残しておこうと思います。
毎週毎週もちろん授業のトピックは違うのですが、今週はNativism(移民排斥主義) について。
知っている人も多いと思いますが、、、
去年2015年の大晦日から今年2016年新年にかけて、ドイツの首都ケルン(cologne)で暴行事件がありました。その名もケルン大晦日集団性暴行事件。
約1000人の若い男性達が600人を超える10代から20代前半の女性に強姦、暴行を行い、またその男性の大半が難民としてドイツへやってきた者達だったということで、街では難民支援を積極的に行うメルケル首相への難民反対運動などが続きました。
▼この動画はその事件と、被害者、市民の声をまとめたもの
私が一番気になるのは、この事件が与える衝撃はもちろん、この事件へ向けられるメディアの視点と、いかに人々がメディアに洗脳されやすいか。
このビデオの10:22あたり、
ドイツに不法滞在をする一人の男性インタビューを受けています。テレビに顔を出したくないと深くフードをかぶり、うつむき加減でそれでも記者に対応する彼。すると、カメラは彼の時計をズームアップしていきます。
いかにも、不法滞在する彼がこの時計を盗んだかのように。
私はこのような事件も常に客観視をすることを心がけています。客観視をしたときにどう感じるか。
でもきっと移民問題に反対をする人達がこのようなビデオを見たら、どう感じるでしょう。心理的にカメラの向く先の映像に影響されて、移民=悪い人という固定観念が沸き上がってくるでしょう。
▼このビデオはEUの運動に反対する人々の言葉(客観的な目でぜひ見てほしい)
もう散々だ、ヨーロッパを返せと主張する人たち。
黒人はアフリカにアジア人はアジアに帰れ、新しい独裁者が必要だ、とコメント残す人たち。
これも、すべて、プロパガンダにすぎませんが、
このようなメディアの影響を受けて、さらに人々は特定の意識、行動に誘導されるのです。
新年に起きた性的暴行事件も、メディアは翌週まで報道せず、「大晦日はとても平安で落ち着いていた」なんて馬鹿げた嘘を流しました。
また、この暴動に関わった難民の大半がアルゼンチン、モロッコ、チュニジア出身だったといわれていますが、出身がどこでどの宗教に属した人であろうと、難民=ムスリムという固定観念が人々にはびこっています。
今週はHuman rights week(人権週間)ということで、至るところで人権にかかわるレクチャーやイベントが行われていますが、世界ではいまだに人種差別や偏見によって苦しむ人で溢れかえっています。人権とは一体何なのか、平和とは何なのか、もっと多くの人に知ってほしいと思い、この記事を書きました。
日本の難民への対応としては、安倍総理は数日前に2800億を難民への支援として充てると国連サミットで発表しました。
どうすることが正解か、私にも正直さっぱりわかりません。だけど、この問題について考えることが第一歩だと思っています。